恋い焦がれて苺と西瓜

今日は記念日、じゃないけど君に花束を

【存在の肯定】の話 vol.1

 

 

こんにちは。さくらさきこです。

私の長い人生(?)におけるキーワード【存在の肯定】についてお話していきます。

 

 

まず【存在の肯定】の意味です。

これは決して、好きだよ、素晴らしいよ、素敵だよ、頑張ったね、などというプラスの言葉を指しているわけではありません。違うんです。そうじゃないんです。私の拙い語彙で辞書をつくるなら「ただ相手をそのまま受け入れ、幸せに生きてくれることを望むこと」です。価値とか評価とかそんなものは要りません。恋や愛である必要はありません。あなたのいる世界を受け入れること、です。たぶん世間的に言う「愛」を拡張したような感じです。私自身が【存在の肯定】をひとつの概念として扱っているので言葉で表すのが難しいですね……適切な言葉を見つけ次第、【存在の肯定】の意味はアップデートしていくつもりです。

 

 

私が何故【存在の肯定】に固執するかというと、存在を否定されたことがあるからです。そりゃそうだね。具体的に言うと中学時代の部活動です。マジのガチでひとりぼっちでした。逆に何であの状況でも毎日部活動参加していたのか今となっては理解できないレベルです。練習中もめちゃくちゃ避けられます。聞こえる音量で陰口を言われます。いやなんでそれ陰で言えないの?って感じなんですが。そんな日々があったから、高校に進んだのち周りの人が私の存在に何の疑いもなく当たり前に接してくれることが、嬉しいと同時に驚きました。わざわざ前向きな言葉をかけられたわけではなく、受け入れられたという意味で【肯定】を感じました。私はこの世界に生きていていいんだ、と。そして大学に入ってその感覚をより強く覚えます。学科やサークルの友人たちから大きな影響を受け「存在、姿、思想などを否定しない」という具体的に【存在の肯定】の要素として挙げられるものを意識するようになります。

実際に【存在の肯定】というフレーズを使い始めたのは二十歳前後だったかと思うのですが、振り返ってみるとこれまで私が好きだと思ったもの、尊いと思ったもの、居心地のいいと思ったもの、すべてに共通して関わる概念だったことに気づきました。

 

 

このブログでは今まで好きになったものなど【存在の肯定】に関わるものを挙げ、1つずつ騒いでいきます。思い当たった順番に好き放題書かせていただきます。掘り下げてお話しする際にネタをバレる可能性があるので、どうかご自衛願います

 

 

 

 

 

 

高橋優「福笑い」

これは私が高橋優の曲で1番初めに好きになった曲です。2011年2月に発売されたシングルの曲です。確かエムオンというチャンネルで録画していた番組で「福笑い」のMVが流れていて、一瞬で気に入って狂ったように見続けていた記憶があります。当時メガネ男子にハマっていたのも要因ではありますすみません。このブログを書くために久々にMVを見たら新鮮に好きすぎてびっくりしました。

あなたが笑ってたら 僕も笑いたくなる

あなたが泣いていたら 僕も泣いてしまう 

こんな何の変哲もない歌い出しですが、これ既に【存在の肯定】されています。"僕"は"あなた"の存在についてなんの疑いも持っていないのです。MVでは爽やかな格好をした高橋優が、めちゃくちゃ曇り空の下で、すごく穏やかな表情で歌っているのが印象的です。その顔つきにも、"あなた"への【存在の肯定】が表れています。

本当はサビ前のウインクがやばいとかもっと色々な曲の良さをつらつらと語りたいところなのですが、今回は【存在の肯定】に特化したお話にしたいので、また機会があれば。

あなたが今楽しんでいるのか 「幸せだ」と胸張って言えるのか

それだけがこの世界の全てで 隣でこの歌唄う 僕の全て

肯定されすぎています……どういうこと……幸せを願われている……ましてやそれが"僕の全て"だなんて……そう【存在の肯定】とはベクトルのことであって大きさは問わないので、よくデカすぎる【存在の肯定】に胸を打たれて私は意識を失います。この曲に出会った当時は【存在の肯定】に対する意識・認識は無かったにもかかわらず、潜在意識下で引き寄せられていたと思うと、もはやこの概念は私の「性(さが)」であるなあと感じました。もちろん他にも素晴らしい歌詞が散りばめられていて、本当に勇気が出る曲なので、切り取って語っているけれど全部聞いてほしいです。

あなたは今笑っていますか? つよがりじゃなく心の底から 

これ私色んな人に言いたくなる言葉です。「その鎧を脱いであなたらしく生きられる世界であってほしい」という意味だと思うのです。「私には弱いところを見せてもいいよ」的な意味では、あんまり無いと思っています。このあとに続く歌詞が"憎しみが入る隙もないくらい 笑い声が響く世界ならいいのに"に続くからです。勿論「弱みを見せていいよ」という姿勢によって救われる心の傷もあるのだけれど、それは【存在の肯定】から少し外れます。寄り添いという名の【介入】になるからです。この曲は"あなた"への【介入】が無い。だから私はこの曲を「受け入れやすい曲」だ、と感じるのかもしれません。決して【介入】が悪だと言っているわけではありませんよ! ただ私自身が、そっとしておいてくれるほうが心が楽になることが多いというだけです。

こんなに優しい曲なのに「綺麗事だ」って言われたりすることもあって悲しくなるんですよね。噛み砕いて本当の意味を捉えようとするとき、これは綺麗な歌じゃなくて優しい歌だなあと思うのです。

その姿形ありのままじゃダメだ!と誰かが言う

それにしたって笑顔は誰も ありのままにゃ敵わない

このフレーズに救われて私はいま生きています。【存在の肯定】を、相手に伝えるフレーズというか。相手に、相手自身を肯定してほしいという願いというか。何かを押し付けるでもなく"僕"は"ありのまま"の"あなた"を受け入れる姿勢でいるんですよという意思表示というか。私の思想はこの歌に乗っ取られているので、普段は口にしないけれど周りの人間には常にこの言葉を投げています。基本的にヘラヘラスタンスでいるのは、私はここでどんなあなたでも受け入れるから構えずに接してくれていいよ、私といるときだけでも心にゆとりを持てたら嬉しいな、と思いながら生きていることの現れです。

あなたがいつも笑えていますように 心から幸せでありますように

それだけがこの世界の全てで どこかで同じように願う 人の全て

この言葉で曲が締めくくられています。 【存在の肯定】であり、世界まるごと肯定してしまっています。心が広すぎます。これのすごいところは"あなた"が何を以って幸せを感じるかについては触れていないんですよね。幸せでいてくれたらいい、ただそれだけ、という聖母マリアもびっくりな懐の深さです。

www.youtube.com

福笑い

福笑い

  • 高橋優
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

この曲を好きだと思えた小6の私すげえよ。私の人生そのものを表す歌です。

 

 

 

 

 

 

加藤シゲアキ「あやめ」

この曲は加藤シゲアキ、そしてNEWSを好きになったきっかけともいえる曲です。はじめはライブ映像だったので歌詞にあまり注目していませんでしたが、彼のパフォーマンスは幻想的で美しい世界が広がっていて(そして他のメンバー3人がMCにて全力でネタにしていて)しっかりと興味を持った次第でございます。このブログを書くためにまたNEVERLANDの映像を見返したら新鮮に好きすぎてびっくりしました。

21歳ボキャ貧読解力ゴミの私にはとてもじゃないけどまともに考察できる曲じゃないです。今の私が感じた【存在の肯定】の覚書、といったところで許してください。

決して空想 夢想の彼方

今だけはそばにいて

離さないで

歌い出しです。「あれ?お前さっき【介入】はどうのこうのって言ってなかった?」となるかもしれません。"そばにいて 離さないで"、確かに相手の行動を制限するという意味では【介入】です。しかしよく見てください……見えますか………………"今だけは"、なんです………………。自分本位な言葉ではなく、"僕"は"あなた"を受け入れているよということを身をもってわからせるための"そばにいて 離さないで"なんです…………。自己否定する"あなた"を、ふさぎ込んでしまっている"あなた"の存在を、今ここにいる"僕"は肯定していますという表現だと感じ取りました。

決して空想 夢想の彼方

今だけはキスしてよ

これも歌い出しとにたような話になります。「"キスしてよ"」=「"あなた"のご加護がほしい」と捉え、それはつまり"あなた"への【存在の肯定】に値します。

ゴッホも描けないほどの 愛の美しさを

あなたと手をつなぎ重ね重ね塗り描いていこう

"あなた"となら"愛の美しさを"描けるということですよねこれ…………。この曲のテーマとして「ボーダーレス」があります。歌詞を取り上げはしませんがこの曲で描かれるボーダーレスは性に限らず、地位も立場も過去も未来も生も死も人もそれ以外も、世界の全てのボーダーについて描いた、繊細さと壮大さを兼ね備えています。頼む私の語彙じゃ説明できないから歌詞読んできて今すぐ。NEVERLANDの円盤貸すから見て。一緒に見ようこれだけで一晩語れるから。そもそも映像作品として美しい(顔面だけでも美しいのに!)から見て。

cause i need u cause i love u

knock knock open the door

never give up beautiful world

makin' a good thing better

英語ゾーンです。原文ママです。全て小文字なのは「等身大の"僕"」なのかな、と私は思っています。1行目はもはやシンプルな【肯定】です。2行目、心のドアをノックしています。世界は美しいから、"あなた"に心を開いてほしいんですよこれ…………。加藤シゲアキ性善説を信じているというのが効いてきます。当時29歳ジャニーズ兼小説家の彼が、こんなにも世界を肯定し美しいものと信じて疑わない、たった一人の体で当たり前に全てを受け止める曲を書いてしまったことに、私は痺れました。東京ドームを我が物にして光を纏い【存在の肯定】を歌う彼に惚れてしまったんですねえ。普段面倒くさいとこがあるから尚更です。

この曲の考察は私の人生の課題です。

 

 

 

 

 

 

映画「性の劇薬」

最近友達に連れられて見に行ったヤク映画です。詳しいことは下記のブログに綴っています。

sakurashaki5.hatenablog.com

恋人を失った余田さんと、両親を失った桂木さんの話です。詳しい話は上記リンク飛んでいただいて今回はあっさりめにいくんですけど、余田さんに生かされた桂木さんは、「余田さんに生きていてほしい」と思った、そして海に入っていく余田さんを止めた、ということになるんですよね。余田さんは亡くなった恋人のことしか考えていなかったけれど、桂木さんは見返りなんかいらなかった、ただ余田さんに生きてほしかっただけという、なんたる【存在の肯定】~~~~~~!!!!!!

桂木さんの凄いところは、亡くなった恋人の存在を【否定】はしなかった、というところです。あくまで「あいつじゃない 俺は桂木誠だ」という主張しかしていないところです。お互いに自分の生きてきた人生があって、そのことは否定し得なくて、でも目の前にいる相手に今生きてほしいと思った、【存在の肯定】です。2人を繋いでいたのが性行為だっただけなのです。たったそれだけ。

なんでこの映画が私のツボに刺さったかというと、恋愛ものの「俺だけを見ろ」「俺が守る」「俺のものだ」という表現があまり好きじゃないからなんですね。いや私は自分で地に足付けて生きとるんじゃ何でお前の所有物にならんといけんのや、と思ってしまうのです。相手への肯定が削がれている気がするのです。性別云々とかは置いておいて、対等でありたいのです。余田さんの行いには相手への支配が見られますが、それは支配という感情ではなく「桂木さんを生かす方法」なので、権力問題(?)にはあまり影響がありませんでした。「生きていてほしい」は最上級の【存在の肯定】なので、その前には全てひれ伏すしかないのです。

映画『性の劇薬』公式サイト

 

 

 

 

 

 

ラジオ「大倉くんと高橋くん」

これは2015年4月から2020年3月まで放送されていたオールナイトニッポンサタデースペシャルの番組です。書きながらも番組の存在が恋しくてむせび泣いています。関ジャニ∞大倉忠義と、シンガーソングライターの高橋優がパーソナリティを務めています。

よくエイタ―側の方々には「優くんって大倉くんに甘々だよね」と言われます。確かに番組を聞いてるとジャニーズで高身長で御曹司でイケメンの大倉忠義を褒めたたえて自分を卑下する発言が多いです高橋優。ただ、正直逆だなと思っていて、大倉さんにめちゃくちゃ肯定してもらっていたんですよ高橋優。実は大倉さんめちゃくちゃ気を遣っていて、高橋優の存在を否定だけは絶対にしなくて、お互い凄い尊重して距離感保って続いてるラジオ番組だったんですよ。印象深いのは高橋優がフライデー撮られたことを遠回しにいじったときのことですね(かなり前やん)。最終的には高橋優がオチ的に笑いに持っていったのですが、あれお互いに信頼しているからできるプレーで、それって高橋優が大倉さんのことを信用しているってこと!?となって逆に泣きそうになったのを覚えています。相手を信用することって自分を卑下していたらできなくて、だから大倉さんからもらった【存在の肯定】は大きいし、高橋優も信頼という形で【存在の肯定】を与える側にもなりました。この5年を経て高橋優は自分の存在を卑下(まあ多少はするけど)しなくなりました。自分の存在を疑わなくなりました。なんというかそのスタンス?が曲に表れるようになりました。

ほっとくと引きこもってしまう2人なので、強制的に顔を合わせて話す機会を与えられるこの生放送の番組の存在が本当に大きかったなあ、これからも2人は仲良くしてくれるかなあ、疎遠になったりしないかなあなどと心配しています。あんまりマメに聞けなかったのが悔やまれるなあ。後継番組を私はしばらく怖くて聞けません……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【存在の肯定】、今回は恋とか愛とかじゃなくマジでストレートノーマルタイプなものを選んで取り上げてみました。たぶん今後もこのシリーズは続く(のか?)と思いますのでお付き合いいただければ幸いです……。